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山奥に仲の良い夫婦が住んでいた
男の名は「彦介」と言い、女は「雪」と言った

二人はいつも死ぬときは一緒だと口癖の様に言い合っていた

或る日
雪が風邪を拗らせ、死んだ
彦介は気が狂ったように泣き喚き、床を殴りつけ掌を血で染めた

暫く泣き突っ伏していると不意に雪が喋った

「貴方、奉りは?」

驚いた彦介は、然し、そうだったと思い出したようにすっかり冷え切った雪の身体を抱え生身のまま床の間に立て掛け、幾度も拝んだ

それから三年程経った
雪の身体は完全に肉が落ち、骨だけになった

でも、雪は喋った
丑三つ刻になると必ず、喋った

「貴方、其方に行っても良い?」・・・と

「来るな、来んで良い」
彦介は幾ら最愛の妻だった雪が話し掛けているとは言っても、もう骨ばかりなのだから怖くて仕方が無かった
だが矢張り、黙りこくった妻を見るのは少し不憫だった

彦介は、毎日眠れなかった
「此の侭では雪に取り殺されてしまう・・・」
何か良い案が無いかと何時も慮っていた

と或る日の夕方
麻布売りが山で道に迷った
途方に暮れながら歩いていると、灯火の点いた家が視得た
大急ぎで駆け寄り戸を叩くと、中から一人、痩けた男が出てきた

事情を話すと男は、言った
「今から麓の村へ買い物に行くから留守番がてら泊まって行ってくれ。だが、丑三つ刻を過ぎると何度か『傍に行っても良いか』と声がする。其の時はまだ来るな、と言って置いてくれ」
麻布売りは何の事かよく解らなかったが取り敢えず、諒解した

彦介はもう、家に戻る気は無かった
良心が麻布売りが不憫だ、と言ったがこうするしかない事は解り切っていた

夜に為った
麻布売りは深く眠っていた所に行き成り呼びかけられた
「貴方、其方に行っても良い?」
麻布売りは飛び起き、何事かと思ったが直ぐに男に言われていた事を思い出し、返答した
「まだ来るな、来るな」
そう言うと、其れ切り何も聞こえなくなった

麻布売りは此の若い女の声がとても気に為った
「誰なんだろう・・・」
怖いもの視たさも手伝い、床の間の襖に近づき、そっと開けた

奥に、何かが在った
不思議に思っていると其処から突然声がした
「貴方?其処に居るのは、本当に貴方・・・?」
麻布売りは背筋が凍った

がたん

目の前の物が喋りながら此方に動きだした
「貴方?・・・貴方?」
麻布売りは魂消、荷物を掴むと大急ぎで家から逃げ出した
「其処に往くのは貴方?」
下り坂を走っていると後ろから骨が飛び跳ねながら追いかけて来た
麻布売りは悲鳴を上げると一目散に下に駆け出した
・・・又声がした
「待って、待って・・・」

大分下まで降りると寺が目に入った
麻布売りは泣き喚きながら寺の戸を叩き、坊さんに話した
坊さんは一言「解った」と言うと、立て掛けてあった箒を手に持って庭に出た

飛び跳ねてきた骨を箒で掃った
骨はガタガタと崩れ落ち、小さな山に為った

「・・・貴方・・・貴方...」
骨は暫くの間喋っていたが、やがて声は聞こえなくなった

砂煙は、消えなかった

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ボーンやねボーン(
ボーンと言えばよしb(ry
...すんませ('A`
kaworu_nagisa 2006/10/26(Thu)17:40:46 edit
Re:ボーンやねボーン(
・々)...

ボーンか、そうか、君はこよなくボーンを愛しているのか(何
2006/10/27 18:15
どっちかというと
よしb...ボーンにさん付けで呼ばれてるってとこですかね(

ちなみに骨は嫌いだ(
血だろ血(
kaworu_nagisa 2006/10/27(Fri)20:37:23 edit
Re:どっちかというと
血?君は血腥いのがそんなに好きだったのか(
・・・ぁ、そうか
貧血だったね、君は
だから血に飢えてる、そう言う事か(蹴
2006/10/27 21:05
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